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アイスの棒と体重管理

Sato Taichi
yak shaver

このエントリーは pyspa Advent Calendar 2025 の 14 日目の記事である。

昨日は @kuenishi の「RustのプロジェクトでDockerfileを書かなくてもよくする話 - kuenishi's blog」だ。

今年もアドベントカレンダーの時期がやってきた。

最近は、仕事と趣味が高度に一体化してしまったせいで、大きな熱量を割いてやってる活動についてこっちに書くことがない。

という訳で、それほど熱量がある訳ではないけど、まぁまぁやっていってる事をダラダラ書いていく。

今日のお題は中年男性による体重管理の話だ。

体重管理を突き詰めれば摂取してる栄養と、生活で消費される栄養を合算して余りがあれば増えていくという話になる。

とはいえ、旨いものや気持ちいいものを自由に食いたいし、辛いトレーニングの果てに基礎代謝を向上するなんてのは、やりたくない。

このエントリでは、そういう生活の合間に捻りだしたちょっとしたノウハウを皆さんに共有する。

食欲は本当に食欲か問題

新型コロナ以来在宅ワークが一般化したが、皆さんは日々仕事をしながら、どんなものを口に入れているだろうか。

お茶や水、栄養ドリンクのような飲料。タバコやガムといった嗜好品。ちょっとしたお菓子のようなもの。

まぁ、色んなものを飲み食いしているでしょう。私も例に漏れず仕事をしながら色んなものを口に入れている。

昼夜を問わずに働きまくっていると生活サイクルがグダグダになってしまう。

生活サイクルとは、いつ起きて、いつ寝るのか?いつ食事をして、いつ排せつするのか?いつ風呂に入るのか?みたいな事だ。

色んな事の境界が曖昧になっていく過程で私が遭遇したのは、何か食っているけども、これは一体どういう活動なのか分からない、という状態だ。

要は腹が減ってるからメシを食っているのか、休憩としておやつを食べているのか、喉が渇いているからお茶を飲んでいるのか、よく分からない状態になっていた。

結果として体重が数年で激増し、174cm・78kgの運動不足中年が爆誕し健康診断で警告されることになる。

健康に長生きしたいとは思っているので、あまりきつくない方法で状況を改善しようという話になるわけだ。

という訳で、まずは仕事の合間を縫って自分と向き合う事から始めた。

まず、私は日常生活に困っていないとはいえ軽度の多動症があり、集中力が散漫になり易い。それを自律的にコントロールするために、意図的に意識を分散させるという事をやっている。

要は、一つの事、例えば仕事だけに意識の全てを向けることは出来ないので、足をバタバタしたりだとか、音楽を鳴らしたりだとか、何か食べたりだとかして、意識の一部を遊ばせているのだ。

特に何か口にものを入れておくというのは、本来向き合うべきことから大きく意識をそらさずに、一定量意識を逸らす習慣として極めて効率がいい。

20代の頃は、これが喫煙習慣だったが既に喫煙習慣は完全に失われている。もう一度煙草を吸い始めるというのも、出来れば避けたいという気持ちがある。

仕事中に何かずっと飲み食いし続けているのは、栄養が欲しい訳では無くて、この多動症への対処を行っているのではないか?

という仮説を元に、この1,2年は口に入れるものを徐々に栄養の無いものに置き換えて、仕事のパフォーマンスが低減するかどうかを観察してきた。

ソフトウェアエンジニアという仕事は、基本的に頭脳労働ではあるので、糖質を制限し過ぎると成果の出る量が低減する。なので、何でもかんでもやめればいい、という話ではない。

少なくとも、今の私は仕事のパフォーマンスを著しく劣後してでも、体重減少すべきであるという状況にはない。

単に継続的な体重の上昇が止まればよくて、毎月数百グラム程度ずつ減少傾向にあるなら、それは望ましい状態である。それよりも劇的な変化は求めていないのだ。

欲望を代替するものたち

突然だが、私は醤油味を基調とした揚げ物であり、ある程度の歯ごたえがある歌舞伎揚げとコカ・コーラが滅茶苦茶好きだ。

この二つの組合せの味や食感に加えて、若いころの過酷な労働において、これらが傍らにあったという成功体験が組み合わさり自分にとって特別な組み合わせになっている。

二つを取り揃えて並べると、自然と集中力が高まりいわゆるゾーンに入り易くなるのだ。BGMとしては、Symphony Xをかけると更にいい。

ただ、今の職場にそんな過酷さがあるかと言われれば、そんなことは全くない。単に自分の過去の成功体験のうち苦しかった部分が曖昧になったり忘れたりして、良かったことだけを美化しているに過ぎない。

という訳で、これらを自分の中で特別なものとして意識することから始めた。コーラについては、既に別な理由で普段の生活からは遠ざけていたので、歌舞伎揚げを漫然と買うのをやめた。

一方で、自分が歌舞伎揚げに求めていたものが何かを探るために、要素分解して口に入れるようにしてみた。

例えば、「揚げ物」であることは重要なのかを確認するために、都昆布のようにある程度塩味と旨味は強いが脂の無いものを食べてみる、などだ。

毎日、根を詰めて考えていたわけではないけども、スーパーでおやつを買う際の指標として、少しずつ要素の欠けているものを選んでいく、という事をやっていった。

こういう時に、よく採用されるのがキシリトール入りのガムではあるけども、これは本当にうまくいかなかった。

キシリトール入りのガムは一日に数粒噛むくらいなら全く問題の無いものではあるけども、私の場合はボトル一つを一日で消費するようなペースでずっと噛み続けることになってしまった。

その結果、腹を下し易くなったので、ガムをかむのはやめた。

噛んでいるうちにかたくなっていく歯磨きガムを試していた時期もあったけども、一日の終わりに噛み過ぎて顎が痛くなるという事が頻発したのでこれもやめた。

何かを口に入れっぱなしにするという観点で考えると、乳幼児向けのおしゃぶりも良さそうに思えた。

しかし、これは毎日熱湯消毒する前提で使われている以上、衛生的に使い続ける事が難しいので候補から外れていった。

徐々に詰めていく中で、要は脂質と塩分は特に重要ではないという結論に至り、そうこうしているうちにアイスキャンディーがかなり良いのではないか、ということに気が付いた。

アイスキャンディーを要素分解すると、氷と砂糖と香料と棒だ。まず、一日中食べ続けるものとして氷はキシリトール入りのガムと同じ理由で望ましくない。

残ったうちの砂糖と香料が良いのかを試すために、一回分ずつ個包装されたかき氷シロップを水に溶かして飲んでみたりもした。これは悪くないがよくも無かった。

必然的に、最後に残るのは棒だ。

たどり着いた答え

製菓材料として販売されているアイスの棒は、当然ながら口の中に入れて問題ないものとして生産されている。

一方で、木製のアイスの棒は割りばしと同じで基本的には使い捨てされる想定のものだ。よって衛生面も問題ない。

気が付いたのは、夏だったのでコンビニやスーパーで買うアイスを買った時には、その棒まで丁寧に味わうようにしていった。

結論として、コンビニで買えるパルムの棒が自分にとってはベストなアイスの棒であることが分かった。スーパーで買える箱に入った個包装のパルムは、少し小さすぎる。

そう考えて探してみると、アイスの棒はAmazonやヨドバシなど、様々な場所で製菓材料として購入できるのだ。

面白いので、ネットで買えるアイスの棒を次々と購入しては試食してみた。

まず、アイスの棒には食べて良いものとそうでないものがある。食べてはいけないアイスの棒というのは、工作用の部材として売っているものだ。

「クラフトスティック」「DIY材料」などと名前の一部に工作を想起する名前付けられているものは、アイスの棒状であるというだけで、食べる事を想定していないものた。

これは、口に入れると大変に不快で刺激の強い味がするので、恐らく本当に食べてはいけない。

次に、アイスの棒といっても、品質は様々であるということだ。材料として使われている木材も様々であるし、面取り加工の精度も大きく違う。

竹や松などの材料で作られている事が多いようだが、恐らく白樺が最高級品である。

この話を会社の若い子にしたところ、彼から衝撃の質問が飛び出してきた「舌圧子って知ってます?」。その時は勿論、知らなかった。

舌圧子とは、例えば耳鼻咽喉科などで医者が喉の検査をする際に、患者の舌を抑えるために使われる棒状の器具だ。確かに、使われたことはある。名前は知らなかった。

舌圧子も、アスクルやモノタロウなどで簡単に購入できる。そして、大抵の舌圧子は医療用なので加工品質が極めて高い。加えて個包装されているケースが大半だし、材料は白樺が多い。

空前の舌圧子ブームがやってきて、手軽に買えるものをいくつか買って試してみた所、多くの舌圧子が少し長すぎるのと幅が広すぎることが分かった。

当然と言えば、当然なのだけども、舌圧子は医者が検査に使う道具なので、一人が口に入れっぱなしにするために使う訳では無いのだ。子ども用の舌圧子は、大人用よりも相対的に短いのだけども、それでも長すぎる。

具体的には、私が普段使っているアイスの棒は、幅9mmで長さ93mm、厚さが1.9mm弱だが、舌圧子は子供用でも幅が14mmで長さが140mm、厚さが1.6mm程度はある。

要は、舌圧子は長すぎる上に幅広で取り回しづらく、薄いので食べ応えがないということだ。なお、パルムの棒は厚さが2mm以上あるので直感的に厚みを感じられる。

まとめ

長くなってきたので、話を強制的に終わりにするが、今私が継続的に食べて?いるアイスの棒は松尾物産の木製 アイススティック棒 (50本束) 93mm 0836-0901だ。

色々試してみたが、簡単に買えるアイスの棒としては、これが今の所ベストである。もし、より良いものをご存じの方がいたら教えて欲しい。

ちなみに、いくつか試した中で唯一リピートした舌圧子は、OO Osaki(オオサキ) SF滅菌オオサキ舌圧子こども用1本入(100袋) 一般医療機器 74307である。

これは、白樺材で作られているため、ごくわずかに甘みがあり旨い。炭酸水にある特有の苦みを日常的に経験していると、白樺材の甘みを感じられるようになるだろう。

棒自体の加工も大変に素晴らしい。数百本は味わったと思うが、一度もささくれのようなエラー品が無い上に、少々のことではささくれないので安心してくわえていられる。

医療機器なので当然ながら個包装されており、衛生面でも問題ない。梱包に使っている箱の上部3割くらいがパカっと開いて、そのまま机の上に置きやすいのも使い易くて好感だ。

では、みなさま、よいお年を。