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二年以上のリモートワークを生き残っている道具を紹介する

Sato Taichi

このエントリーは pyspa Advent Calendar 2022 の 14 日目の記事である。

昨日は @kuenishi の「我が家の生活物資事情コストコ編」だ。

はじめに

もはやこのブログがアドベントカレンダー用のサイトになって久しいが、今年もちょっと役に立つ話をしようと思う。

今回の話題は、在宅ワークにかかる環境整備の話だ。コロナが始まったころには盛んに皆さんが自宅の環境を整備するようなエントリを書いていたが、最近は一回りしたのか結構減ってきたように感じている。

単に私の生活環境が完成して、そちらの方面に対する興味関心が薄れただけかもしれないが。

というわけで、このエントリではすでに完成して久しい私の稼働環境について説明する。もう完成してから一年以上は経過しており、細かい変化はあるものの全体としては変わっていない。

少なくとも私が使い込んでいて間違いなく良いと感じているものを説明していく。

机と椅子

大きい物から紹介していこう。つまり、机と椅子だ。

オフィスチェア(オカムラ コンテッサセコンダ#

コンテッサは比較的高額な部類の椅子だが、デスクワーカーにとって椅子は体の一部とも言うべき存在なので妥協しない方がいいと私は考えているので、きちんとお金を払って買った。

食事、入浴、排せつ、睡眠以外の時間はほぼこの椅子に座っている。時間にすると毎日8時間~12時間程度だろうか。休日に集中してゲームをしている時などはもっと長時間座っていることもある。

自分に合った椅子を探すというのは比較的専門的な知識が必要になるので、オンラインで買わずに専門家の意見を聞いた方がいいだろう。そういうとき、WORKAHOLIC はおすすめだ。完全予約制ということもあって極めて親身に対応してくれる。高額な商品を買う際には、コンシェルジュサービスにきっちり金を払って正しい知識でもって合うものを紹介して貰うべきだ。単なる消費者として分かっている事と、プロが持っている知見には大きな差がある。

https://www.iamworkaholic.jp/

私の場合は、コロナ初期で混乱状況な時に椅子を買ったこともあり、会社で使っているのとほぼ同じ椅子を買った。つまり、体に合っていないことに対する懸念はなかったので、同じものを最も安価に買えるアートオフィスクリエイトで買った。このサイトを使う上での注意点は「金を払ってない人間には対応が雑」ということだ。例えば、金を払う前に在庫や納期について聞いても通り一辺倒の答えが返ってくるだけで全く意味はない。しかし、一度支払いが済んでしまえば最大限の対応をしてくれる。工場在庫を押さえて、できるかぎり早く商品が届くように手配してくれるし、質問に対する応答も速くて正確になる。

https://e-aocinc.com/SHOP/122324/139843/list.html

電動昇降式デスク(FlexiSpot)#

昇降式デスクを買うなら、絶対に電動式を買うべきだ。理由は簡単、手動だと使うのがめんどくさくなるからだ。

私の場合は、3時間座って作業したら、1時間程度はスタンディングデスクとして使って、疲れたら座る、というような運用で使っている。仕事が少し忙しいような時は、1日に2回、3回上げ下げしているのだが、これは電動昇降式を選んだからこそ出来る生活サイクルである。

ただ、電動昇降式デスクは非常に高価な商品だ。様々なものを探したが、手ごろな価格で電動昇降式のデスクを買えるのは、ほぼFlexiSpotだけだった。当時私が買ったE3はすでに売っていないが後継商品のE7が今は売られている。天板の材質や形状のバリエーションも多いので大いに悩んだ上で購入して欲しい。

https://flexispot.jp/e7-set.html

ケーブルトレー(CB-CT3)#

電動昇降式デスクを買ったら確実に問題になるのはケーブル類だ。

私の場合、ディスプレイ2台に、マイク、USB充電器、USBハブ、キーボードなどがあるため、机の下部がどうしてもケーブルだらけになってしまう。これを解決するために、クランプ式のケーブルトレーを使っている。サンワサプライのケーブルトレーはFlexiSpotと非常に良い組合せで収まるのでおすすめだ。

https://www.sanwa.co.jp/product/syohin?code=CB-CT3

このケーブルトレーを使うとゴテゴテとした電源系のケーブルを足元に散らかすのではなく、机の奥側の裏に収められるので、足元が落ち着いた感じになる。

ディスプレイアーム(エルゴトロン)#

良い机と椅子が揃ったら、次はディスプレイアームだ。ディスプレイアームを導入するとディスプレイの高さや配置の自由度が格段に向上する。特に二枚以上ディスプレイを使うならディスプレイアームの利用を強く推奨する。

ディスプレイの高さや傾きは細かく調整することで眼精疲労や肩こりが低減するので、納得いくまで調整できるようにすべきだ。ディスプレイとキーボードとマウスの位置関係に妥協はない。

ディスプレイアームは、安価なものから高価なものまで色々あるが私が使っているのはエルゴトロンのディスプレイアームだ。最近のディスプレイはデカくて重いことが多いので高品質なものを使うのが望ましい。そういった意味でエルゴトロンは非常に信頼できる。

https://www.amazon.co.jp/dp/B07Q8TJ2KL/

入力デバイス

デスクワーカーにとってキーボードとマウスは自らの意思をコンピュータに伝えるためのデバイスである。

左右分離型キーボード(Mistel BAROCCO MD770 JP)#

全てのテレワーカーは左右分離型のキーボードを使うべきだ。私はそう考えている。

とはいえ、日本では左右分離型のキーボードは商品としての立ち位置を確立できていない。

自作キーボード界隈では左右分離型のキーボードは非常によく見るが、仕事で使う道具として完全に信頼できるものにはなりえない。基盤はむき出しで埃がたまれば火事になる可能性はあるし、はんだ付けが甘ければ期待通りに動作しない。ユーザ自身でファームウェアを書き換える以上、そのソフトウェア品質はそれほど高いとは言えない。

製品として一定以上の品質水準にある左右分離型のキーボードはほとんどが海外製品でつまり英字配列だ。私は、もう30年JIS配列でキーボードを使い続けているので、ここから英字配列のキーボードに乗り換えるという気持ちはほとんどない。

そういうわけで、左右分離型のキーボードでかつきちんとした製品になっているJIS配列の左右分離型キーボードは極めて貴重なものだ。

https://archisite.co.jp/products/mistel/barocco-md770-jp/

JISキーボードを使っていて、まだ左右分離型キーボードを持っていない人は、これを是非買ってみて欲しい。

リストレスト(Genuine Wood Wrist Rest)#

キーボードを分割したら、それに合うリストレストを使うことで手首に対する負担を大きく低減できる。リストレストはモチっとした柔らかいものが好まれているように思うが、実は少しくらい固い方が良いんじゃないかと個人的には感じている。

科学的な根拠のある話ではないが、柔らかいリストレストは、接触面の負荷は低いぶん、それによって周りの筋肉や腱に余分な力がかかってしまうことで、総合すると効果がマイナスなのではないかと疑っている。

FILCOのGenuine Wood Wrist Restは天然木で作られたリストレストだ。これはプラスチックや金属ほど固くはないが、一方で緩衝材のような柔らかさがあるわけでもない。

https://www.diatec.co.jp/shop/new/2003bunri/

大型マウスパッド(HV-MP855)#

キーボードを分割したら、次はマウスをどこに置くかが問題になる。

胸をしっかり開くような形で分割キーボードを配置したらキーボードの真ん中がマウスをおけるような空間になる。

こうなったとき、どんなマウスパッドがいいだろうか。小さすぎるマウスパッドは使いづらいし、中途半端な大きさのマウスパッドはキーボードと干渉するので収まりが悪い。

こういう時は、思い切って大きなマウスパッドを使おう。具体的には幅が90cm以上あるようなやつだ。一般的にはFPSのユーザが好んで使っているようだが、マウスとキーボードを丸ごとマウスパッドの上に置いてしまえばおさまりの悪さなどというものは、そもそも関係なくなる。

そういうわけで、90cm x 40cmあるようなマウスパッドはおすすめだ。

大型のマウスパッドをいくつか買ってみたが、長期間使うには上下左右がきちんと縫い込まれていてほつれないようになっているものがいい。

マウスパッドは大体ゴム製品なので、使い始めてから数か月はちょっと甘いような匂いがするものだが、気になるなら何度か洗濯すると匂いが消える。つまり、ゴムの匂いが苦手なら洗濯可能な製品を選ぼう。

私はゴムの匂いが苦手なので匂いが弱くてかつ選択できるHavitのマウスパッドは非常に気に入って使っている。

https://www.amazon.co.jp/dp/B01M18UR54

マウス(MARATHON MOUSE M705m)#

突然だが、私はトラックボールが苦手だ。仕事で使う分にはあまり問題ないのだけども、マウスを激しく動かすようなタイプ(ハクスラとか、RTSとか、FPSアクションとか)のゲームをする際には、トラックボールだと期待した速度で操作できなくてイライラする。

この数年間は、色んなマウスを試してみたが結局はいつもm705に戻って来てしまう。このマウスを私が使い続ける理由は3つだ。まず、手の中にうまく収まること。私は主に右手でマウスを操作しているが、右手と左手で握手したって、こんなに収まり良くはない。

そして、高速スクロール機能だ。マウス中央にあるボタンをカチっと押すとスクロールホイールが高速に回転するようになる。大量のソースコードやドキュメントをレビューする際には、この高速スクロール無しには業務が成り立たないと言える。

最後は、バッテリーの持ちが異様にいい事だ。今は相当回数充電してヘタったエネループプロでマウスを動かしているが、前回いつ充電したのか思い出せない。少なくとも直近2, 3か月は電池を入れ替えた覚えが無い。アルカリ乾電池なら、半年や一年は電池を交換する必要が無いのだ。なお、前回買った時には、電池より先にマウス本体の調子が悪くなったくらいだ。

https://www.logicool.co.jp/ja-jp/products/mice/m705m-wireless-mouse.910-005303.html

音源

リモートワークで高度な仕事を実現するには、高品質なリモートミーティングが重要だ。

特にマイクとイヤホンの品質が低いと会議における最低限の部分が満たされないので、会議の質が悪くなり易い。

骨伝導式イヤホン(AfterShokz Aeropex)#

私は基本的に電話が嫌いで、その理由は耳をふさいでそこから音を出していると、ほんの2,3時間で酷い頭痛に襲われ何も出来なくなってしまうからだ。

また、密閉性の高いヘッドフォンをしていると、周りの音が聞こえなくなるので、自宅のインターフォンが鳴っていることに気が付かなかったりする。インターフォン程度なら良いが、自宅の周りで何か事件や事故が起きていることに気が付かないようなことは避けたい。

Shokz(私が買った時はAfterShokzだった)の骨伝導イヤホンは、こういった私のニーズを適切に満たしてくれる製品だ。骨伝導イヤホンなので大きな音を出さずとも聞こえるし、耳の穴をふさがないので、周囲の音もちゃんと聞こえる。2台の機器にBluetooth接続できるのでスマホとPCにペアリングして使っている。

私が使っているのはAeropexだが公式には販売終了済

https://jp.shokz.com/products/aeropex

しかし、Amazonではまだ買える。

https://www.amazon.co.jp/dp/B07RQLTFJ5/

マイクとセットになっているOpenCommはずっと気になっているものの、Aeropexが不調にならないので使ってはいない。

https://jp.shokz.com/products/opencommuc

ダイナミックマイク#

イヤホンと対になる道具がマイクだ。

マイクには、自分の声はきっちり拾ってミーティング参加者に伝える一方で、自宅に溢れるノイズは拾わないようにしてもらいたい。USB接続できるコンデンサマイクは、数万円するaudio-technicaやRODEのマイクを試してみたが、どちらも期待するようには動作しなかった。

結局、期待するような動作をしてくれたのは1500円で買えるダイナミックマイクだった。量産効果万歳。

https://www.amazon.co.jp/gp/product/B07PNMRBJS

オーディオインターフェース(evo 4)#

ダイナミックマイクの多くはXLR接続なのでPCに直接は接続できない。つまり、PCとマイクの間に専用の機器を置くことになる。というわけで、オーディオインターフェースを買う必要がある。

オーディオインターフェースは、マイクに比べると少し高額なものが多い。私が使っているのはEvo4というUSB接続するだけでカジュアルに使えるものだ。

https://allaccess.co.jp/audient/evo4/

evo 4は熱意をもっておススメできるというほどではない。もう少しオーディオ初心者でも使い易い構造で安価なものがあるように思う。

マイクスタンド#

マイクと自分の口の距離は近ければ近いほどいい。しかし、一日中ミーティングしているわけではないので、使っていない時は横にどかしておきたい。そういう要望をかなえてくれるのがマイクブームだ。関節がいくつかあってクランプ式のものを選べばFlexiSpotの良い感じの場所に挟んで使えるだろう。私が使っているのはAmazonで買える非常に安価なものだ。消耗品のつもりで買ったが2年以上元気に使えている。

https://www.amazon.co.jp/gp/product/B07F588GVF

電源

ソフトウェアエンジニアは電源と共にあるものだ。良い電源は良い仕事につながる。

私が使っている電源に関連する製品をいくつか紹介しよう。

充電池(エネループ プロ)#

まずは充電池だ。電池を使う機器にはほぼ、エネループ プロを入れて使っている。例えば、マウスやゲームのコントローラがこれにあたる。

こいつは物理的な大きさは他の電池と同じだが容量が大きいので交換の頻度を下げられるので気に入っている。

https://panasonic.jp/battery/charge/p-db/BK-3HCD2C.html

卓上充電器(Anker PowerPort Atom III Slim)#

スマホを始めとしたガジェットの類はバッテリーを内蔵しているものが多いので、机の上に置いてある最中は充電しておくとよい。私が気に入って使っている高速充電器はAnkerのものだ。

https://www.ankerjapan.com/collections/charger/products/a2045

無停電電源装置(APC RS 550VA)#

この冬は寒い。そして電力が不足している。皆さんは家庭に届いている電圧がちょいちょい100Vを下回っていることに気が付いているだろうか。場合によっては、計画停電なんてこともあるかもしれない。

そうでなくても、最近のGPUは滅茶苦茶電力を食うので、ゲームしながらエアコンやヒーターに電源を入れた途端にうっかりブレーカーが落ちることもあるだろう(実際、私はそうやってブレーカーを何度か落とした)。

大抵の電子機器はちゃんとしたコンデンサを積んでいるので少々の電源断で壊れたりはしない筈だが、パソコンだけはそういうわけにもいかない。ブレーカーが落ちた後にPCをシャットダウンするだけの時間を稼ぐためにUPSを置こう。

APCのUPSならPowerChuteという電源管理用のソフトウェアが付いてくるのでシャットダウンも自動化できる。

https://www.apc.com/jp/ja/product/BR550S-JP/apc-rs-550va-sinewave-battery-backup-100v/

その他おまけ

今年は寅年だったのでネピアのパッケージが本当に最高だった。Amazonの購入履歴によると、11回買っているので、ほぼ毎月買っているようだ。

ネピア 鼻セレブ ティシュ 400枚(200組)x3箱 ネコ科動物パッケージ

https://www.amazon.co.jp/dp/B09N33KMKZ

まとめ

以上が、私が自宅に作りこんだ環境だ。気になることや、もっと良いものがあるという方は、是非教えて欲しい。

テレワーク環境をより良くしたいと考える読者の皆さんに少しでもお役に立てれば幸いだ。